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||| MODE |||
ark.*~は、
"Standard", "Math Flex", "Random", "Switch"
という4つの動作モードを持っており、エディターにて設定することで、2つのレイヤーをどのモードで動かすか選ぶことができます。
*出荷時には、レイヤー1 = Standard、レイヤー2 = Math Flexに設定されています。
以下それぞれのモードについて説明します。
・Standard (0 ~ 127)
Standardモードは、いわゆる一般的なMIDIコントローラーと同様の0~127の範囲のコントローラーとして動作します。
通常のDAWのパラメーターを操作するには、このモードを使用してください。
また、フェーダーや270°のボリュームポットでは、DAW側でパラメーターを変更したあとにコントローラーを触ると、DAWとコントローラーが持っている値に差が生まれることが原因で、パラメータがジャンプしてしまいますが、ark.*~は360°エンコーダーのため、モーターフェーダーと同じようにDAWの値とリンクでき、値飛びを防ぐこともできます。
ableton liveの場合、画像のように環境設定内のMIDI画面にて、リストに表示されたデバイスのInput/Output両方のコントロールをオンにするだけでパラメーターはリンクします。
その他のDAWについては、各ソフトウェアのマニュアルを参考にして設定を行ってください。
・Math Flex (for Max, Pd, etc)
もし、Max上でMIDIコントローラーを扱う場合、ctlinから得られる0~127のMIDIの値をMIDIMAP機能やzmapなどを利用し、パラメータの範囲にマッピングして利用するのが最も簡単な方法かもしれません。
ですが、そのままだと自分の思うポイントで狙った値にすることはできず、様々な計算を用いたり、人によっては負荷のかかるオブジェクトを使ってしまうこともあるでしょう。
特にモジュレーション周波数や、OpenGLパラメータなど、小数点以下の細かい操作を必要とする場合は、フィジカルコントローラーを使用したくても手打ちしなければならず、なかなか難しかったりする場合もあります。
Math Flexモードを使用すれば、そうしたMaxでのすべてのコントロールをスムーズに行うことができます。
このモードでは、ダイヤルを右回転で65~、左回転で~63を出力するため、64を引くことで+1~/~-1の増減値を作り出すことができます。
(値はスピードに追従、高速回転させると、65.66.67...といったように増減幅は増幅します。)
これに自分が1ステップの変化量に対して動かしたい値を乗算し、accumオブジェクトと組み合わせるだけでOKです。
Standardで述べたダイアル操作による値飛びに関しても、パラメータの値を"set $1"などでaccumの左インレットに戻してあげるだけでリンク完了。
また、Maxユーザーはこのモードさえあれば、回転方向をプログラム上で検出することで、ダイアルコントロールの処理を自在に書くこともできるため、他のモードは必要ないかもしれません。
・Random (0~64|64~127)
*値は回転スピードに追従しません。
Randomモードでは、名前の通りランダムなMIDI値を出力します。
ダイアルを右に回転させた場合は64~127、左に回転させた場合は0~64、という範囲の中で、ランダムに選ばれた値が出力されます。
使いどころがあるのかと思われる方もいるかもしれませんが、一般的なDAWを使用している電子音楽家の方にとっては多様な表現のひとつとして、コントローラーを楽器の一部のように扱いたい場合に有効になるかもしれません。
例えば、パンニングにアサインし左右にダイアルを回すことでLR交互にランダムな定位を生み出しスタッターのようなエフェクト効果を得たり、サンプラーやシンセサイザーにおいては、利用サンプルの位置やフィルターなどにアサインすることでスライス・グラニュラー再生のような効果を得る、などといった使い方も考えられるでしょう。
プラグインのLFOなどのオートランダム機能による変化の印象とは異なり、手で操作するタイミングでこれらの効果を生み出すことができるため、ライブの時などに飛び道具のように扱うことができます。
一見、エクストリームで使用しずらいと思うかもしれませんが、回転方向で抽出範囲が分かれていることから、一般的なDAW上でパラメータ乱数をイメージに近い形で扱うことに長けているモードです。
・Switch (0|127)
*値は回転スピードに追従しません。
Switchモードでは、単純に、右回転で127、左回転で0を出力します。
DAWでのエフェクトのオン・オフなどに使用できます。
また、Max上では、"/ 127"をしたうえで、トグルやbangを回転方向から生成してから処理を書くような形で、手っ取り早く簡単に利用するのも良いかもしれません。
||| REMOTE |||
ark.*~は、SysExが出力できるアプリケーションからark.*~側のMIDI CHを瞬時に変更したり、レイヤーを切り替えることができます。
この機能は、例えば、パッチャーを開くと同時に切り替えたり、DAWのタイムラインと連携しシーケンスが一定時間まで来たら切り替えるなど、アプリケーションのアクティブな動作やタイミングと連携させることで、ダイアル操作で意図しないパラメータを変更してしまうような操作ミスを減らすことを目的として搭載しています。またark.*~をMaxパッチの一部のように扱うのに役に立ちます。
240, ID, Value, 247といった形で、4バイトのデータセットでそれぞれ行います。
*間違った形でデータを送り続けた場合、機器にダメージを与える可能性があります。
Maxではsxformatを使用したうえで、midioutにコネクトし、データを送ります。
アーギュメントは、
MIDI CHの場合、"sxformat 240 88 変更したい値 247"
Layerの場合、"sxformat 240 89 変更したい値 247"
といった形になります。
また、ark.*~のMIDI CHおよびレイヤースイッチを押したときも、ark.*~からホストに対して情報が送られます。
このスイッチング情報をどのように利用するかは、あなたの自由です。
・host to ark.*~.
Go!! | ID | Value | End... | |
---|---|---|---|---|
MIDI CH | 240 (0xF0) | 88 (0x58) | 1~16 | 247 (0xF7) |
Layer | 240 (0xF0) | 89 (0x59) | 1 or 2 | 247 (0xF7) |
.
・ark.*~ to host.
Go!! | ID | Value | End... | |
---|---|---|---|---|
MIDI CH | 240 (0xF0) | 77 (0x58) | 1~16 | 247 (0xF7) |
Layer | 240 (0xF0) | 78 (0x59) | 1 or 2 | 247 (0xF7) |
||| OVERDRIVE CCID |||
ark.*~は、8個のダイヤルに2つのレイヤー、計16のコントローラIDがエディターにて割り当て可能であり、その情報は本体メモリーに保存され、再びエディターで書き換えるまで更新されることはありません。
ですが、さらに多くのパラメーターを操作したい場合、電源を落とすまでの間、一時的に本体メモリーのIDを無視し、リアルタイムにダイヤルに対して異なるコントローラIDを与えるオーバードライブ機能を持っています。
これにより、操作可能なパラメーター数を膨大な数に増やすことが可能です。
*操作時に混乱やミスを招く可能性がある極端な機能です。Max等で、ご自身のわかりやすいプログラムを組む形での利用をおすすめします。
プログラムチェンジを用いて行います。
MIDIチャンネルがそれぞれのダイヤルに割り当てられており、1がレイヤー1のダイヤル1、16がレイヤー2のダイヤル8に当たります。
例えば、ark.*~に対してMIDIチャンネル4、値50でプログラムチェンジを送出すると、レイヤー1のダイヤル4のIDが49に変更されます。
エディターでの書き込みとは異なり、メモリーには保存されず、本体の電源が切れると、元のIDに戻ります。
*送った値から1を引いた値になりますので、ご注意ください。
これを利用し、縦横無尽にIDを変えながら操作するようなプログラムを組めば、小さなark.*~であってもダイヤルが足りなくなることは無いでしょう。
ただし、現在ダイヤルにどのIDが振られているかがわからなくなり、操作ミスにつながる可能性が非常に高いため、慣れない方はこの機能の使用はお控えください。
もし混乱してしまった場合は、リブート機能やUSBを抜いて一度電源を落とすなどすることで、エディターで設定したCCIDに戻すことができます。
エディター内にあるtipボタンから、使用方法を確認できます。